「吃音の人は落ち着いて話せば大丈夫!」は不正解でもあり正解でもある。

「大丈夫!落ち着いて!」

吃音のせいで言葉が出てこないときや、どもった時に、周りの人からこう言われた経験はありませんか?そして、そんなときこう思いませんでしたか?

「こっちは純分落ち着いてるわ!ただ上手く言葉が出ないだけなんじゃ!!!」と…。

私はこんな思いをしょっちゅうしていました。例えば、会社で電話を掛けたは良いものの、相手が出たとたん言葉が出なくなってしまい、「もしもし」も「自分の社名・名前」も出なくなってしまった結果、無言電話になり、電話を切ってしまったことがあります。冷や汗をダラダラかいている私を見て、優しい女性の先輩が、「大丈夫だよ!落ち着いて!」と声をかけてくれました。その先輩が優しかっただけに、何とも言えずもやもやした気持ちになったことがあります。

このように、吃音で悩んでいる人からすれば、「落ち着いて!」なんて言われるのはもううんざりではないでしょうか?

優しく言ってくれるならまだいいですが、上司から「もっと落ち着いて話せ!」なんて、言われた日には、「俺の悩みなんて分からないくせに!」と言いたくなってしまいますよね…。

落ち着いて話すだけで吃音が治れば苦労しません…。

しかし、この「落ち着いて話す」というのは、本質的には吃音克服のためには重要な要素です。

まず、吃音を克服するには「どこにいても平常心でいること」が重要ですが、最大限にリラックスして、最高に落ち着いて話せるようになる。というのは正に吃音を克服した状態です。

そして、それとは別の話として、落ち着いているかどうかに関係なく、吃音の人は基本的に早口の人が多いです。早口だからどもってしまうという側面もあると思いますが、吃音かどうかにかかわらず、あまり早口じゃない方が、相手に聞き取りやすいですよね。そもそも、吃音じゃない人でも緊張すると自分が想像している以上に、相手には早口に聞こえてしまいますので、早口を解消して、理想的なペースで話すというのは大事なことです。

自分の話す早さはなかなか自分では自覚できないので、自分が話しているシーンを一度録音して聞いてみるのも良いかもしれませんね。自分の話すペースを客観的に観察することができます。

では、どれくらいのペースを目指せばいいかといいますと、戦場カメラマンの渡部陽一さんを参考にしてください。ご存じない方はYoutube等で彼の話し方をチェックしてみて欲しいのですが、周りからいじられるほど話すのがゆっくりです。しかし、とても聞き取りやすいですよね。自分では渡部さん並みのペースで話していると思っても、実際に相手にはあれほどゆっくりには聞こえませんので、ご安心ください。

また、「ゆっくり話すことで相手を怒らせたらどうしよう」と悩む方もいるかもしれませんが、それは吃音症の人によくある、人に気を使いすぎです。せっかちでイライラする人の方が悪いのです。会話のペースにおいて相手に主導権を握られてしまうと、それだけで緊張が増してしまいます。”自分のペースでゆっくり話す”という意味で、落ち着いて話すだけで、緊張感が少し緩和されます。

なので、吃音を克服するため!とは考えずに、コミュニケーション能力を向上させる一手段として、理想的なペースで話すことを目指しましょう!

それではまた!

 

 

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